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Case
2026.02.06
【開催報告】地域活動の「担い手不足・停滞感」をどう打破するか? 〜箱根町の実践事例に学ぶ、コミュニティの育て方〜


自治体関係者の皆様を対象としたオンラインセミナーを開催しました。
今回のテーマは、多くの地域が直面している「担い手不足」と「活動の停滞」。
これらを打破するためのヒントを、神奈川県箱根町での「地域コミュニティの担い手養成塾」の実践事例をもとに、CRファクトリー代表・呉哲煥が詳しく解説しました。

本記事では、当日お伝えした講義パートのエッセンスを凝縮してご報告します。

背景:なぜ今、地域コミュニティの「運営力」が問われているのか

冒頭の講義では、現代社会における地域活動の重要性が再確認されました。 少子高齢化や人口減少に加え、特筆すべきは「単身世帯の急増」です。2020年時点で単身世帯の割合は38.1%に達し、つながりの希薄化による孤独・孤立のリスクが深刻化しています。

防災や福祉において「公助」「自助」が限界を迎える中、これからの地域に必要なのは、現代のライフスタイルに合った「共助・互助(つながり・助け合い)」の再構築です。 現場からは、以下の3つの深刻な課題が寄せられています。

  • 担い手の高齢化・不足(特定のメンバーに負担が集中している)
  • 組織間の連携不足(団体同士が「点」で活動しており、相乗効果が生まれない)
  • 住民参加の消極化(「大変そう」というイメージがあり、新しい人が入ってこない)

 

解決策:共助の力を高めるための「コミュニティマネジメント塾」

これらの課題を解決する鍵として、CRファクトリーが提唱する「コミュニティマネジメント」の重要性が語られました。

■カリキュラム内容
第1課 強くあたたかい組織のつくり方
第2課 団体の理念・ビジョンを共有する
第3課 新たな仲間の巻き込み方
第4課 役割と出番をコーディネートする
最終回  最終発表会

■コミュニティマネジメント塾の3つの特徴
①市民活動・地域活動・サークル活動などの団体運営・組織運営で最も重要となる実践的なテーマ・課題について深く学んでいきます
②単なるインプットではなく、ワークショップ形式で実践・ディスカッションを通して学んでいただくため、より実用的な学びとなります
③『地域』を起点に、多様な人たちが集まり共に学んでいくため、 この場からつながり・コミュニティが生まれていきます

 

 

箱根町の実践事例:「地域コミュニティの担い手養成塾」の全貌

箱根町では2025年度、住民の主体性を引き出し、団体運営をアップデートするための「地域コミュニティの担い手養成塾」を実施しました。

■開催のポイント

  • 多様な主体が参加: NPO、自治会、社協、地域の事業者など、普段は交わらない24名のメンバーが集結。
  • 「横のつながり」の重視: 単なるスキル伝達ではなく、個人ワークやグループ対話を多用したワークショップ形式を採用。
  • 半年間にわたる伴走: 全5回の講座に加え、約3ヶ月後の「ギャザリング(同窓会)」までをセットにし、学びが風化しない仕組みを構築。

 

■学びのステップ
講座では、CRファクトリーが20年以上培ってきた「強くあたたかい組織」のメソッドを体系的に提供しました。

  • 組織の基盤づくり: 理念やビジョンを一方通行ではなく「共有」する方法。
  • 仲間の巻き込み: 「手伝って」と言える関係性、役割のコーディネート。
  • 負担の分散: 一人のリーダーに依存しない「チーム運営」への転換。

 

驚異的な成果:数値と定性の両面から見える「変容」

本プログラムの最大の特徴は、徹底した「効果測定」です。受講前後の意識調査では、参加者の明確な変化が数値として現れました。

  • 満足度:10点満点中 平均9.58点
  • 特に上昇した意識項目:
    • 「自分一人でやるよりも、誰かに任せる方が良いと思うようになった」
    • 「新しい仲間を増やすための具体的な工夫を始めた」
    • 「メンバー間の関係性を良くするための働きかけが増えた」

数値以上に印象的だったのは、参加者の「自発的なアクション」です。 講座終了後も、参加者同士のLINEグループ(オープンチャット)では活動の相談や協力依頼が飛び交い、団体を超えた「横の連携」が今もなお続いています。まさに、地域の中に「相談し合える仲間」というインフラが誕生した瞬間でした。

参加者の声

セミナーに参加された方々からは、以下のような感想をいただいています。

  • 横の繋がりを増やす仕組みや仕掛けを作ることが互助共助の関係を育てることに繋がる、ということを再認識しました。
  • 箱根町さん、CRファクトリーさんのコミュニティ課題に対する取り組みの本気度を感じました。成果を肌感ではなくちゃんと数値化している点が良いなと思いました。


今後の展望:点から面へ、持続可能な地域づくりへ

箱根町の事例から導き出されたのは、地域活動を活性化させるための「4つのサイクル」です。

  1. きっかけ作り: 興味を持ってもらうためのライトなイベントの開催。
  2. 深い学びとつながり: 連続講座による「運営力」の向上と「濃い仲間」づくり。
  3. 状態の可視化: 「コミュニティキャピタル診断」を用いた客観的な組織分析。
  4. 継続的なネットワーク: 定期的な同窓会の開催による「縦と横のつながり」の維持。

最後には「地道な『人と人のつながり作り』と『組織運営のスキルアップ』の両輪こそが、担い手不足解消への確実な一歩になる」というメッセージでセミナーを締めました。

※本事業のより詳細なレポートや現場の熱気は、こちらのnoteからご覧いただけます。
箱根町 地域コミュニティの担い手養成塾

次回セミナーのご案内

今回のセミナーは大変ご好評をいただき、追加開催が決定いたしました。 「自分の地域でも何か始めたい」「他自治体の事例をもっと詳しく聞きたい」という自治体職員の皆さま、ぜひお気軽にご参加ください。

【追加開催日程】

  • 2026年2月27日(金) 13:30〜14:30

(会場:オンラインZoom/参加費:無料)

 詳細・お申込みはこちら

 

 

 

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